20年の月日

20数年前の話です。私は出産3か月で大阪から福岡に引っ越しをしました。妊娠がわかった時、出産後は実家の両親の助けも借りつつ子育てをしていこうと思っていたので、急な引っ越しで不安な気持ちでいっぱいでした。誰一人知り合いもいない土地での初めての育児や連日の夜泣き、聞きなれない博多弁。自分がどうにかなるのではないかと思うくらいのしんどい毎日でした（当時は夫の育児休暇などありませんでした）。ある日気分転換にと子供をベビーカーに乗せて食事に行ったとき、大学生ぐらいの孫娘さんを連れたおばあ様に「今は大変でしょうけれどすぐにこうなりますよ。」と孫娘さんを指さされました。その時はそんなに大きくなるまで20年はかかる、と気が遠くなりそうでした。ですがその20年は本当にあっという間で、その言葉の深い意味に気づいたときにはもう20年以上たっていました。寂しいことに娘にあの時のように抱っこも頬づりもさせてもらえません。あの時のおばあ様、おっしゃって下さったように20年はあっという間でした。今でもどこかでお元気でいらっしゃいますように。深い感謝を込めて